好みの家具が見つからない時は「家具オーダー」という方法があります。
「オーダーはハードルが高い」と思うかもしれませんが、家具のオーダーは思いのほか簡単。
実際に「ダイニングテーブルをオーダー」するまでを説明していきます。
まず、「どんな商品をオーダーしたいのか」
ダイニングテーブル・カップボード・サイドボード・チェスト・デスク・ブックシェルフ・ベッド…
商品を決め「なぜオーダーで作りたいのか」理由を考えてみましょう。
【理由例】 :市販品の中に
①サイズがない
②デザインがない
③色がない
④求めている風合い・雰囲気がない
理由を考えることで、こだわりたいポイントを知ることができます。
『オーダーしたいのはどんなイメージ?』
例1)傷がついているのにどこか素敵…カフェのテーブルは市販品とどこが違うのだろう?そんな疑問からオーダーテーブルにたどり着く人は多い。「カフェにあるような雰囲気、味わいのあるダイニングテーブルが欲しい」場合どんな材でオーダーすればいい?
写真:パイン材無垢オイル塗装仕上げ・ターンドレッグ脚
例2)「直線ラインでシンプル、モダンなイメージのダイニングテーブルが好み」の場合、どんな材でオーダーすればいい?
写真:ウォールナット材無垢 オイル塗装仕上げ・スクエアレッグ脚
最初に、家具を製作する資材と樹種(木の種類)の説明をします。
というのも、資材・樹種によって得意な工房を絞ることができるからです。
「資材ってそもそも何?」家具使用に多い資材4種の違いを知りましょう。
材木を横方向に継ぎ合わせて作られた資材のこと。主に縦長い材料を横に継ぎ合わせて一枚の板として使用。オーダーのダイニングテーブル天板に使用されることが多い。
メリット:
・角をぶつけても角(木口部分)から剥がれることがない。
・経年変化で味わいが増す。
・キズや凹みなどの補修対応がしやすい。
デメリット:
・経年変化により乾燥・湿気の影響で割れ・反りが出る場合がある
写真:オーク材の縦長い無垢板を横に5枚継ぎ合わせた天板。【オーク材無垢】と表示される。
継ぎ合わせがなく一枚の板の資材のこと。座卓天板などに使用されることが多い。
写真:一枚板の天板使用のダイニングテーブル。
天然木を薄くスライスしたもの。家具では、突板を合板(ベニヤ板などを繊維方向が直交するように重ねていったもの)やMDFなどの表面に圧着し無垢材のような風合いを演出することが多い。1950年~北欧ヴィンテージ家具の多くにも突板が使用されている。
メリット:
・自然な木の目の素材感を感じさせながら、製造コストを抑えることが可能。
・割れや反りなどに強い。
デメリット:
・角をぶつけた場合、角(木口部分)は衝撃に弱く、剥がれる場合がある
・キズや凹みの補修対応が難しい。
・水に弱く剥がれる場合がある
・圧着した突板が剥離する場合がある
・変色する場合がある
写真:周りを無垢板で囲み中央部分に天然木を薄くスライスした突板を使用したテーブル。無垢板に比べコストを下げることができる。
木の目を印刷したプリント紙を合板に張り付けたもの。カラーボックスなどに用いられることが多い。突板と異なる点は、同じ模様が綺麗に印刷されているのが特徴。
メリット:
・安価
デメリット:
・自然な木の芽の素材感が感じられない。
・紙を貼り付けているので、経年によりプリント紙が剥がれる場合がある。
・湿気に弱い。
・補修対応は難しい。
写真:木の模様をプリントしたものを貼り付けている。衝撃に弱い。
メラミン天板は耐久性・撥水性に優れお手入れが簡単。モダンスタイルに人気の素材。
木の種類:
具体的な樹種(木の種類)を選びます。例えば、無垢材の家具を作りたい、となった時、どの材がイメージに近い雰囲気かを選びます。
仕上げ:
仕上げによって異なる色目とメンテナンス方法をあらかじめ知っておくことも大切です。
【ウレタン仕上げ】:
少し光沢のあるツルっとした手触り。メンテナンスは乾拭き。塗装表面のキズや凹みは個人での修復が難しく、塗装の剥離・ウレタンの再塗装は工場での補修となる。
【オイル仕上げ】:
オーダー家具に多い、木の質感を感じる手触り。定期的に、蜜ろうワックスや、クリアワックス掛けを行うことで、風合いが増す。キズや凹みはサンドペーパー・木工用パテなどを用いて補修後、オイル塗装などで修復することが可能。
【水性塗料仕上げ】:
水性塗料のホワイト家具・カラー家具など。キズや凹みはサンドペーパー・木工用パテを用いて補修が可能であるが、その後、水性塗料の刷毛塗りやクリア塗装での仕上げが必要。
強度があり見た目が美しい。使うほどに飴色になり高級感が増すため家具材として使用される。木肌は滑らかで磨くと光沢を増す。耐久性に優れ、水に強い特性がある。
強度と耐久性に優れている。シルクのような艶やかで光沢のある木肌が特徴で、経年変化でゆっくりと飴色に変化する。欧米でテーブルやチェア使用されてきた材。シンプル~モダンスタイルまで対応。
美しい木目を持つクルミ科クルミ属の木材。軽量で扱いやすく加工・塗装にも適した材。硬く粘りのある材質は加工後の狂いも少なく、高級家具に使用されることが多い。落ち着いた気品ある木目はモダン~クラシックスタイルまで対応。
欧米では高級材として評価されている。日本で流通しているナラ材とホワイトオーク材の違いは、同じブナ科の植物で見た目がそっくりだが、ナラ材:日本・中国・ロシアが原産地、オーク材:主に北米が原産地 オーク材はナラ材よりも重く、木口に見られる放射組織が大きいのが特徴。又オークにはホワイトオーク(淡い黄白色)、レッドオーク(やや赤みがかった気褐色)があり、色目が異なる。(オークの柾目には斑が見られることがあり、虎斑(トラフ)と呼ばれる。「虎斑」とは、横縞のような模様のことでブナ科にみられる模様。虎の毛のように見え木の栄養を含んでいる場合に出る模様で、質の良い木材であることを意味している)
軽軟で加工しやすい木材。、色目は淡く均一で木目がしっかりとあり、ワックスやオイルステインなどの塗装に向いている。、釘やねじを入れても裂けることがない適度な強度を持ち匂いは特にない。
広く家具等に用いられ人気のある材であるが、パイン材の特徴である、節がある材であること、ヤニが出る場合があること等を理解しておくことが必要。
脚のデザインを選びます。
【ストレートレッグ】【テーパーレッグ】【センターレッグ】【ターンドレッグ】【猫脚】【スクエア口型脚】【シェルフ型】【アイアン脚】など様々なデザインがあり、天板の素材と共に工房を選ぶポイントになります。工房によっては異素材(アイアン)の組み合わせも可能です。
ダイニングテーブルのサイズ目安は下記。身長や椅子に合わせて高さを決めます。
・4人掛け:
幅120~160cm 奥行:70~90cm 高さ:68~76cm
・6人掛け:
幅180cm~ 奥行:80~100cm 高さ:68~76cm
①カラー:選んだ工房のカラー展開を確認してください。同じ材種でもカラーにより大きくイメージが変わります。
注)天然木の場合、同じ機種・塗装でも 木目や色味は一つ一つ異なることの理解が必要です。
②仕上げ(ウレタン仕上げ・オイル塗装仕上げ・水性塗料仕上げなど)による色目の違い、メンテナンスを確認してください。
③オプション(引出しの有無・ダメージ加工の有無・取っ手など)の有無を確認してください。
写真:オーク材無垢・ウレタン塗装仕上げの例。同じ在種でも塗装色によりイメージは異なります。
それでは具体的に「4人掛けダイニングテーブル」を例に従ってオーダーしてみましょう。
イメージに近いダイニングテーブルを選ぶことから始まります。
選んだ工房で見積もりと納期を確認します。
例えば、
・イメージ:お家カフェのイメージ。ターンドレッグのダイニングテーブル
・理由:自然素材のやわらかい雰囲気にしたい。ダメージ加工をしたい。
・材: ダメージ加工に適しているパイン材無垢・オイル塗装仕上げを選ぶ
上記を基に、パイン材無垢を得意とする工房にサイズ・カラー・オプションを選びオーダーすると写真のようなダイニングテーブルが仕上がってきます。
経年変化で付く傷もかっこよくなりそう。一生モノのオーダー家具の完成です。
写真ダイニングテーブルのオーダー内容:
パイン材無垢
デザイン:ターンドレッグ脚
サイズ :150x80cm
カラー :ミディアムブラウン色
仕上げ :オイル塗装仕上げ
オプション:引出し無
天板面取り飾り有
ダメージ加工有
虫食い風加工無
納期:約3か月